京都府立大学生命環境学部附属演習林
概要
京都府立大学生命環境学部附属演習林は本学の前身のひとつである京都府農学校から引き継いでおり,最も古い演習林は1902年に設置された。京都府内に6カ所ある演習林は,合計面積が約710haで以下に示すように,暖温帯から冷温帯に至る京都府下の典型的な森林タイプの特徴を備えている。どの演習林へも京都市内の下鴨キャンパスから車で90分以内に到着することができる。
教育
各演習林の特長を活かして,森林科学科の森林科学総合実習,全学教養教育の環境共生教育演習,京都府立林業大学校の実習,また,学生の卒業研究のフィールドや材料として,利用されている。
研究
物質循環,希少植物の保全,台風被害と土砂流出,森林変遷,GISによる森林管理などの研究のフィールドとして,また,林産科学における木材の諸性質に関する研究のための材料の提供などで,卒業研究,大学院生,教員の研究に広く利用されている。
社会貢献
夏と秋に,高校生や一般市民を対象とした「演習林野外セミナー」を開催し,毎年,多くの市民が自然を学びながら楽しんでいる。さらに,行政機関を始め森林・林業関係団体並びに中学及び高校教員,森林ボランティアの研修等にも,野外フィールドとして幅広く利用されている。
フィールドの位置
フィールド紹介
大野演習林(403ha)
約50名が宿泊できる大野学舎には,講義室,宿泊室,食堂,風呂などを備えている。学舎周辺には炭焼機,製材機,油圧薪割機,木材チッパーなどが設置されており,森林資源の利用などの実習を行っている。
大正初期に植栽された約100年生のスギ,ヒノキ林が残っており, 40mを超える大径木を見ることができる。
601-0772 京都府南丹市美山町肱谷
電話番号 0771-75-0001 FAX番号 0771-75-0001
大枝演習林(116ha)
1902年に設置された最も歴史のある演習林であり、国内でも東京大学、北海道大学に次いで3番目に古い。一部を「洛西散策の森」として、一般府民に公開している。
スギ、ヒノキの人工林と、アカマツ、アベマキ、コナラなどの二次林で構成される。また、中国産のメタセコイア、気根を地面から出す北米産のヌマスギ、その他セコイア、ドイツトウヒなどの外国産樹種が見本林として植栽されている。
京都府京都市西京区大枝沓掛町
久多演習林(110ha)
京都市左京区の北端に位置し,西尾根は京都大学芦生研究林と背中合わせの分水嶺。
民有林の時代にブナの優占する原生林が伐採されたが、天然生のスギは伐採されなかったため、現在でも多くのスギの巨木を見る。ブナは、主に尾根部に残っており、渓谷ではトチノキ、サワグルミ、カツラなどの渓畔林が見られる。ニッコウキスゲの分布する南西限に位置し植物地理学的にも重要である。2016年には京都丹波高原国定公園に指定されている。
京都府京都市左京区久多上の町
鷹峯演習林(7ha)
下鴨キャンパスから車で約15分で到着する最も近い演習林。スギ、ヒノキ等の人工林が占め、一部のモウソウチク林では、タケの様々な利用技術やバイオマス利用に関して研究が行なわれている。
京都府京都市北区鷹峯桃山町
日吉演習林(15ha)
樹齢50年を越えるコナラ、アベマキが優占する薪炭林跡の落葉広葉樹林。実習ではそれらを伐採した後でコナラ等を植栽し、伐採した材は大野演習林で炭焼き等を行い、カーボンニュートラルな木材利用を学生は経験している。
京都府南丹市日吉町中
梅ヶ畑演習林(59ha)
本学の前身である京都府立農林学校卒業生から寄贈された演習林。北山林業地にあり谷筋には北山丸太仕立ての林分が多く、中腹から尾根にかけてはタムシバ、コナラなどの広葉樹二次林が見られる。
京都市右京区梅ヶ畑水谷
詳細情報
ウェブサイト
京都府立大学生命環境学部附属演習林
http://uf.kpu.ac.jp/kpu_uf/
住所および連絡先
- | 住所 | お問い合せ |
---|---|---|
本部 | 606-8522 京都府京都市左京区下鴨半木町 |
電話番号 075-703-5681 FAX番号 075-703-5680 |