宮崎大学農学部附属フィールド科学教育研究センター
概要
宮崎大学農学部田野フィールド(演習林)は農学部附属フィールド科学教育研究センターに属する4つの附帯施設のうちの1つとして位置づけられている。宮崎県内の田野地区,大納地区,崎田地区の3地区からなり,計620 haの森林を所有する。1937年に国有林からの所管換えにより宮崎高等農林学校田野演習林として設置された。田野フィールドの特徴として,①南九州ではほとんど残されていないヒノキ壮齢林,②まとまった面積の常緑広葉樹(照葉樹)二次林,③直営(大学職員)による施業,④充実した林道網(57 m/ha),⑤交通至便な立地,⑦天然性海岸風衝群落が挙げられる。
教育
農学部森林緑地環境科学科による森林科学に関する実習のみならず,全学を対象とした体験的な実習も行われている。田野地区は大学本部から近いために平日午後でも実習を行うことができ,卒業論文作成ための調査なども気軽に来ることが可能である。
研究
常緑広葉樹林の国内での代表的な試験研究林として共同研究および全国からの利用実績がある。2つの水文観測流域と1ha長期観測試験地がある。
社会貢献
小学生を対象とした夏休み自然体験教室,高校生を対象とした宮崎県環境森林部と共催の林業体験教室,社会人を対象とした植物観察教室(公開講座),森林組合と共催の間伐研修会など様々な事業を行っている。
フィールドの位置
田野フィールドは農学部からバスで30分の距離にある。最寄りのJR駅からは車で5分である。空港,港,長距離バスターミナルからはそれぞれ車で40分程度の,全国の演習林のなかでは珍しく非常に交通至便な立地である。
フィールド紹介
田野地区
田野地区は宮崎平野の西端の丘陵地帯いわゆる里山に位置し面積は501 haである。ヒノキ壮齢林と常緑広葉樹(照葉樹)二次林を特色とする。
国内で最も早くに森林認証(SGEC)を取得した大学演習林である。生産された木材は木造公共建築などに認証材として利用されている。
約90年生常緑広葉樹林に環境省モニタリングサイト1000プロジェクトの森林コアサイトが設定してある。全国計48のコア・準コアサイトのなかでも生物多様性の高いサイトである。またJaLTERの森林準サイトの一つでもある。
889-1702 宮崎県宮崎市田野町乙11300
電話番号 0985-86-0036 FAX番号 0985-86-2551
大納地区
太平洋日南海岸に面し面積は60 ha,標高は20~400 mである。マツ枯れ後の広葉樹天然生二次林とスギ人工林が約半分ずつである。昨年度からスギ林の主伐が始まった。
888-0221 宮崎県串間市大字大納字平原1885
崎田地区
太平洋志布志湾に面し面積は60 ha,標高が0~150 mの範囲にある。林木の成長に適した林地は少ないが,全国的に貴重な,海岸に面した天然性海岸風衝群落である。
888-0009 宮崎県串間市大字崎田字名切4270
詳細情報
ウェブサイト
宮崎大学農学部附属フィールド科学教育研究センター
http://www.fsc.miyazaki-u.ac.jp/muf/