高知大学農林海洋科学部附属暖地フィールドサイエンス教育研究センター
概要
高知大学の演習林は,1954年に高知県の県有林を譲り受けて発足した。この県有林は1925年に県立農業高校演習林の設置にともない買い上げられていた私有林の半分にあたり,今でも農業高校とは演習林・宿舎ともに互いに隣同士となっている。面積は127haと全国の大学演習林の中でも最も小さい部類だが,教育・研究や地域貢献に活発に利用されており,単位面積当たりの利用度は全国でも高い部類に入ると思われる。現在の正式名称は,高知大学農学部付属暖地フィールドサイエンス教育研究センター(略称FSC)森林生産環境部門,嶺北フィールドとなっている。
教育
森林科学コースの演習林実習,農学部1年必修のフィールドサイエンス実習のほか,共通教育での実習を実施している。また,全演協公開森林実習や海外提携校のフィールド実習など,学外の定期的利用も増えている。
研究
卒論・修論の研究フィールドとして,また樹冠観察用タワーを設置した学内研究チームによる総合的な生態系研究や,学外利用では高知県立森林技術センターとの連携研究として人工林の強度間伐試験地での研究などが進行中。近年ではレクリエーション利用に関する研究も多い。
社会貢献
地域の小中高生や教育関連団体を対象とした森林体験学習などの地域貢献事業を定期的に実施している。2004年から演習林の歩道・作業道・林道を利用したトレイルランニング大会を毎年7月上旬に開催している。
フィールドの位置
国道32号線JR繁藤駅付近から20分程度,高知竜馬空港のすぐ隣にある高知大学農学部からは1時間程度。宿舎は穴内ダム湖のほとりにあり,演習林(嶺北フィールド)は宿舎から本山町方面の県道を15分ほど登った峠の手前に位置している。
フィールド紹介
嶺北フィールド(127ha)
海抜660~1045mにあり,吉野川支流の水源をなす赤荒峠によりで東西2団地に分かれている。
温暖多雨地帯だが台風の襲来も多く,冬は寒風が強いため尾根筋はアセビ,シキミ,イヌツゲなどを中心とした風衝地となっている。暖帯林の上部に位置し中腹では温帯林との推移帯を構成しモミ,ツガ郡系からなる。
資源構成と5つの森林群
9~10齢級を中心としたスギ・ヒノキの人工林が面積の6割を占めている。天然林は昭和30 年代前半まで製炭に利用されていたため,広葉樹二次林が多くを占めている。
実習や定置プロットによる研究利用など,5つの森林群(体験の森・技術の森・研究の森・観察の森・ものづくりの森)として整備している。
路網の整備と利用
小型機械による集材が可能な作業道路網は自力で開設。研修も実施。
林道・作業道のほか, 林内レクリエーション利用のための歩道も整備し,実習や森林体験学習に対応。
トレイルランニング大会の開催による地域貢献。
宿舎(教育実習実験研究施設)
演習林宿舎は,風呂,トイレ,ガス調理台を完備し,最大70名が収容可能な宿泊施設。野外で採取した試料の簡単な処理が行える実験室や研修室も備えている。
学内外の実習受け入れのほか,小中高生の体験学習における宿泊利用も。
詳細情報
ウェブサイト
高知大学農林海洋科学部附属暖地フィールドサイエンス教育研究センター
http://www.kochi-u.ac.jp/agrimar/japan/field/index.html
住所および連絡先
- | 住所 | お問い合せ |
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森林生産環境部門 | 783-8502 高知県南国市物部乙200 |
電話番号 088-864-5199 FAX番号 088-864-5210 |