東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター
概要
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センターの複合陸域生産システム部(川渡フィールドセンター)は、1888年(明治17年)に発足した軍馬育成場に端を発し、1949年(昭和24年)に設置された東北大学農学部附属農場と演習林が後に改組・統合され、2003年(平成15年)に設置された組織である。所在地は農学部のメインキャンパスのある仙台市から北へ70キロメートルほど離れた大崎市鳴子温泉にある。総敷地面積2215haのうち、森林域は1719haに及び、 スギを中心とした人工林のほかに、ブナ、ミズナラ等の冷温帯落葉広葉樹林が広がる。
教育
平成23年4月から、「食と環境のつながりを学ぶ複合生態フィールド教育拠点」として教育関係共同利用拠点に認定され、広く他大学の学生にも門戸を広げたフィールド科学教育を行っている。森林を専門とする3名の教員だけでなく、農学・畜産等に関する8名の教員が常駐しているほか、各専門の技術職員を多数擁し、幅広い教育を行っている。
研究
森林の種多様性・遺伝的多様性の維持メカニズムや、生物多様性に配慮した森林管理のあり方、植物・菌類の生存戦略や種特性等について、遺伝子・個体・個体群・群集を対象とした視点でアプローチする分野を中心として研究し、林業生産等の人間活動と生物多様性保全の両立を目指している。
社会貢献
小中高校生や一般市民を対象とした年2回の体験学習プログラムとして、「東北大学フィールドセンター開放講座」を実施している他、年間を通して行われる地域の小学校の総合学習に貢献している。また、保育園・小中高の体験学習・見学、地域住民の研修・見学等、幅広く利用されている。
フィールドの位置
フィールド紹介
間伐強度試験地における生態系機能の長期モニタリング
ースギ人工林に広葉樹を混ぜると森の恵みが蘇るか?ー
日本のスギ人工林は、間伐されず放置され、本来の環境保全機能(生態系機能)を失っているものが多い。当センターでは、スギ人工林を強度に間伐して広葉樹の導入を図り、種多様性の増加に伴い生態系機能がどの程度、またどのように回復するのかのを長期的にモニタリングしている。このような研究をとおして、生態系と調和した森林管理・持続的な林業の在り方を学生、市民、林業者とともに考えている。
ブナ樹冠調査用タワーを利用した学生実習・市民講座
当センターでは、センター内の森林の多目的利用を推進している。例えば、ブナ林内に設置された高さ20mの樹冠調査用のタワーを積極的に有効利用している。このタワーは北海道大学・九州大学との共同研究によって設置されたものであるが、その利用を調査研究用に限定せず、学生実習や学生・教職員向けの野外セミナー、市民向けの公開講座、小学校の総合的な学習等に、安全面に十分に配慮しながら利用している。 このような利用は、森林の重要性に関する啓発や、研究の成果発信等に役立つだけでなく、森林の持つレクリエーション機能の発揮という面においても極めて有効であることを実感している。
詳細情報
ウェブサイト
東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター
http://www.agri.tohoku.ac.jp/kawatabi/index-j.html
住所および連絡先
- | 住所 | お問い合せ |
---|---|---|
複合陸域生産システム部 | 989-6711 宮城県大崎市鳴子温泉字蓬田232-3 |
電話番号 0229-84-7311 FAX番号 0229-84-6490 |