新潟大学佐渡自然共生科学センター演習林

概要

佐渡演習林は、江戸時代、幕府直轄地として管理下におかれ、木(特に天然スギなど)の伐採は厳しく制限されていた。明治維新後も国有林、御料林として保護されてきた。このような歴史が、頂上付近の豊かな天然スギ林を形成する一因となった。
昭和30年に新潟大学農学部に譲渡され、佐渡演習林の発足と成り、平成24年には文科省教育関係共同利用拠点に認定された。平成29年には再認定され、教育、研究、地域貢献活動などに、ますます盛んに取り組んでいる。

教育

森林管理や森林環境などを学ぶ農学部の学内実習の他に、文部科学省教育関係共同利用拠点として、佐渡の多様な自然環境を活かした実習を行い、全国の大学、専門学校に利用されている。

共同利用実習例

東邦大学理学部 野外生態学実習Ⅱ
〜佐渡島の森・川・海を繋ぐ河川生態系〜

実習テーマ

佐渡島の生物相の成り立ち、生物分布、生態系の特徴を、野外調査にもとづいて明らかにする。佐渡島の大佐渡山脈をフィールドとして、河川の水生昆虫の流呈分布(上流、中流、下流)の生態学的調査を行い、森・川・海を繋ぐ河川生態系の多様性や関係性の理解を深める。

実習期間

2013年5月27日(月)〜5月31日(金) 4泊5日

参加人数

学生12名、教員11名(外部協力教員含む)

実習内容

環境の異なる2つの河川(大倉川、梅津川)で、上・中・下流域の水生昆虫の種構成、密度を明らかにする。要因(物理的、生物的、環境など)について統計学的手法(統計解析ソフトRを使用)を用いて検証し、検証結果についてのプレゼンを行う。

実習の様子
下流
中流
大倉川の各流域の様子 上流
仮説を立て、それを統計学的手法を用いて検証する。
水生昆虫や魚類の同定等の講義を、他の施設の教員と連携して行う。
水生昆虫の採取、環境要因などの測定を行う。

研究

多様な森林環境を利用し、森林の更新や経年変化などについて様々な手法で長期に渡り調べている。砂防、災害関連、動植物の研究のフィールドとしても、大学内外の研究者にも幅広く利用されている。
研究室では、学部生から博士課程までの学生の研究指導を行っており、佐渡島内外でフィールド調査、分子遺伝学的手法など様々な視点から研究を行っている。

社会貢献

毎年8月に、一般の方を対象に公開林間実習を開催している(一般公開林間実習)。佐渡島の自然について学び、演習林の天然スギ林をトレッキングする。スギ天然林は、佐渡エコツアーにも、ツアーコースとして提供している。
佐渡島内外の研究者が実習・調査などで来島する際に、最新の研究を一般の方に紹介する佐渡ゼミを開催している。

フィールドの位置

フィールド紹介

風衝地
スギ天然林

佐渡演習林(499.2ha)

大佐渡山地北部の稜線沿い西側斜面(大部分は標高600〜1000m)に広がっている。

標高600mから山脈稜線上にかけては、海から供給される水蒸気量が多いため、1年の半分以上、日中、霧や雨に覆われている(雲霧帯)。また、谷沿いに吹き上げる強風により、樹木が生長しにくい風衝地など多様な環境が存在する。

演習林は佐渡島で最も高い自然度を備えた森林生態系であり、山頂効果による高山性のものを含む約500種の植物と、多数の動物・菌類が生息してる。

952-2206 新潟県佐渡市小田94-2
電話番号 0259-78-2613 FAX番号 0259-78-2929

詳細情報

研究者一覧 研究業績一覧 写真集

ウェブサイト

新潟大学佐渡自然共生科学センター演習林
http://www.agr.niigata-u.ac.jp/fc/sado_html/sado_index.html

住所および連絡先

- 住所 お問い合せ
(事務部) 950-2181
新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050
電話番号 025-262-6672
FAX番号 025-262-6594
村松ステーション(苗畑) 959-1701
新潟県五泉市石曽根6934
電話番号 0250-58-5737
FAX番号 0250-58-7046
佐渡ステーション(演習林) 952-2206
新潟県佐渡市小田94-2
電話番号 0259-78-2620
FAX番号 0259-78-2929

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