東京農業大学地域環境科学部奥多摩演習林
概要
奥多摩演習林は、東京都の西端に位置する奥多摩町に昭和53年に面積約156haの規模で多摩川の上流域に設置された。標高約600mから1400mの位置にあり主に砂岩、頁岩、石灰岩から成り立ち、表層部風化層は間隙に富み、スギ、ヒノキの成長に適している。演習林周辺は古くから青梅・奥多摩地域(青梅林業)に隣接する飯能地域(西川林業)とともに関東地方では有数の林業地帯を形成している。
教育
演習林実習は、主として森林総合科学科が行っている。実施に当たっては、各研究室の担当教員が演習林に学生を引率し、講義した内容に基づいたプログラムを1年生から3年生に一泊二日から二泊三日の行程で指導している。
研究
演習林では「多様な森林を育成する」ための試験地を研究室と協力して設置している。特に、複層林の造成、シカ被害地におけるオオバアサガラの育成、森林土壌からの二酸化炭素放出量の推定などに利用されている。また、東京都農林総合研究センターと連携した調査研究も行われている。
社会貢献
本学は、サントリーホールディングス(株)と森林整備協定を結び、演習林では水源涵養機能の高い森林、生物多様性に富んだ森林、広範な学術研究調査の対象となる森林などに誘導することを目的として研究・研修活動に取り組んでいる。 また、そのフィールドを生かした市民活動も行われている。
フィールドの位置
フィールド紹介
奥多摩演習林研修センター
70名収容可能なチロリアン風木造建物の本館と全国各地から卒業生らを中心にして集められた銘木によって造られた資料館などが配置されている。資料館には囲炉裏を備え、その床板にはヒバ、その隣室にはヒノキを配し、材色と肌触りが実感できるようにして、演習林利用者の体験学習にも役立っている。
多様な森林の造成
ⅰ)強度間伐地の下木にヒノキや広葉樹を植栽した複層林の造成
陽光量と下木の生長について上木の枝成長を加味した影響を探ることや表層土に生息する土壌動物相と土壌流亡が及ぼす影響を探っている。
ⅱ)群状伐採区域に植栽した広葉樹の育成
針広混交林の育成は、様々な手法が試みられているが、奥多摩演習林では下木の生長に必要な陽光量が容易に確保される群状の伐採区における針広混交林化をねらっている。
ⅲ)シカ被害地におけるオオバアサガラの育成
森林に及ぼすシカ被害が増大している奥多摩地域にあっては、林床植生の消失に伴い土壌流亡が激しくなり、表土が全く見られなくなった場所も多くなってきている。演習林においても同様な現象が見られることから、シカの不嗜好性、耐食害性を持つオオバアサガラを広葉樹育成に活用する試みを行っている。
詳細情報
ウェブサイト
東京農業大学地域環境科学部奥多摩演習林
http://www.nodai.ac.jp/academics/reg/for/
住所および連絡先
- | 住所 | お問い合せ |
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地域環境科学部 奥多摩演習林 | 198-0212 東京都西多摩郡奥多摩町氷川2137 |
電話番号 0428-83-3352 FAX番号 0428-83-3352 |