森林管理技術賞

第2回(2000年)

第2回森林管理技術賞 受賞者(5人)

井之上 俊治(イノウエ トシハル)氏 (鹿児島大学)

[受賞理由]伐木造材作業、架線による集運材作業に傑出した技能と経験を有し、独学で架線作業主任者の資格を取得した。その技術は学生実習や後輩職員等への教育面で重要な役割を果たしている。植物の同定にも独学で取り組み、200種以上におよぶ高隈演習林の植物のほとんどについて精通している。演習林における植物の教育・研究では欠かせない存在。演習林の植生分布に関する長期試験地を設定し、貴重なデータの収集に取り組んでいる。

田場 和雄(タバ カズオ)氏 (琉球大学)

[受賞理由]与那演習林に設置されている各種の試験地(130か所余)の管理と定期的な調査に尽力した。特に天然生広葉樹林の固定試験地(70か所)を設置し、長年にわたって調査を行ってきた業績は大きく、これに基づいて森林簿を作成し、森林計画の立案に大きく貢献した。また、学生実習や研究を支援すると共に、地域活動を通して森林・林業の普及・啓蒙を行った。

中根 勇雄(ナカネ イサオ)氏 (京都大学)

[受賞理由]たゆまぬ探求心により、特に植物に造詣が深い。「芦生演習林・植物の手引き」及び「原色 山菜の手引き」をそれぞれ1986(昭和61)年、1994(平成6)年に自費出版。研究発表も多く、また、京都大学演習林公開講座の講師も務める。他方、多くの資格・免許に基づき、演習林の各種技術、森林管理にも尽力。いずれも高い評価を得ている。

保坂 良悦(ホサカ リョウエツ)氏 (山形大学)

[受賞理由]豪雪地帯におけるブナ・ミズナラ林の森林管理に取り組み、「非皆伐萌芽更新法」を開発して施業体系の確立に貢献。多年にわたり積雪観測、森林調査、森林計画の編成などに精励。非常に多くの研究論文を発表し、1992(平成4)年には研究グループの一員として同年度東北雪氷賞学術奨励賞を受賞した。

馬渕 哲也(マブチ テツヤ)氏 (九州大学)

[受賞理由]北海道演習林において、高品位材生産を目指したカラマツ人工林の育成技術に取り組んできた。特に枝打ち後の萌芽枝発生機構やエゾシカによるカラマツ樹皮被害の発生様式については、学会等で発表するとともに、これら成果を演習林における森林管理技術の向上に役立てている。学生実習や公開講座においてカラマツ人工林育成についての技術指導を行うなど、教育・研究に貢献している。

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